- 第13話「突破口(Into the Breach)」
- 評価: ★8.0/10(IMDbユーザー評価)
- 前回→第12話「ジャガーノート」
- 次回→第14話
海外の反応
「今回エコーがこれほど大きな役割を果たすとは思っていなかったし、エピソード終盤では彼の安否が本当に心配だったが、彼はやり遂げたぞ!」
「エコーは要領が良すぎるから、物語から排除されてたんだね」
「これまでのどのエピソードよりも、クレジット・テーマへの移行が最高だ。全員がタンティスに密航するときに、バッド・バッチのテーマが流れる。アソーカの第5話のエンディングを思い出す」
「真っ黒なアーマーは最高に気持ち悪い」
「塗装をはがされたアーマーは、ケイナンの断髪を思い出させる。怖い」
「ランパートは帝国の大佐になりすましただけなのに、自分より格下の人間には上から目線で物を言い、言い負かす。悪役としての彼は嫌いだったけど、バッド・バッチと一緒に働く彼はちょっと好きだ。彼が中将まで上り詰めた理由もわかる。帝国にとって完璧なタイプのクソ野郎だ」
「オメガは子供たちに <道は一つ(One Way Out)>を伝えようとしている・・・」
「ウルフやコーディが再び登場するのを全力で待っているのだが・・・」
「あと二話じゃ間違いなく足りないよ」
レビュー
まず、ランパートの描写がとても良かった。帝国軍将校になりすまして潜入するというのは『EP4/新たなる希望』のハン・ソロにも重なるが、ランパートは卒なく、なんなら楽しみながら、こなす。彼は高い自尊心だけではなく確かな有能さ(もちろん帝国軍人としては、という但し書きつきだが)を持っていることを証明した。ハンとは違い帝国軍で出世したのもうなずける。味方になったことで「元中将だぞ」と怒る姿や「クローンは嫌いだ」とぼやく姿には好感すら覚えた。彼の人間性は変わりそうにはないが、彼は今後どうなるのだろうか。
タンティス山の座標が分からない理由はナビに残らないだけという設定は拍子抜けではあったが、潜入は見ていてドキドキした。バッド・バッチがアーマーを塗り潰し、強みにしてきた個性を捨ててまでオメガを救出しようとする姿勢からは、覚悟も見て取れた。しかし、塗りつぶしたところで、彼らは普通ではないと簡単に看破される。結局、特殊な彼らは周りに馴染めず、その特殊さを長所にして生き抜くしかないのだ。
捕らえられたオメガは、再び周りを変える力を発揮する。イヴァら子供たちは脱出を諦めかけていたが、オメガの登場で再び希望が芽生えようとしていた。今までは「妹」だったオメガだが、今度は経験豊富な「姉」として子供たちを導く。この3シーズンでの彼女の成長が際立つ。今回は連携を見せられなかったが、近いうちに見られるだろう。
エメリー・カーは未だに迷う。いや、本当は子供たちを救いたいと考えているが、力がないと思っているだけかもしれない。オメガたちを自分が救えるそのときになれば、彼女は進んでオメガたちに力を貸すだろう。(脱線するが、エメリーが「脳の活性化」という言い訳で子供たちに自由な時間を与えていた描写は少し気になった。子どもをただの血液サンプルだと考える帝国の科学者でも活性化に賛成なのか?)
タンティスに向かう船に貼り付こうとするバッド・バッチだが、計画はギリギリまでうまく行くかわからず、ランパートは諦めろと強く”命令”する。だが、仲間のエコーを信じるハンターの答えは、拒否の意味の「Negative」。今まで、はみ出し者として命令に逆らってきた、オーダー66すら無視したバッド・バッチらしい答えだった。完結に向け、彼らの原点を思い起こさせるすばらしい一言だった。
豆知識
惑星ボーラ・ヴィオ
バッド・バッチの三人がエコーと合流したのは、『バッド・バッチ』S1-9「失われた賞金」に登場した惑星ボーラ・ヴィオ。ここには、カミーノアンが放棄したクローニング施設があった。
名作からの影響
オメガと子供たちがタンティス山からの脱出計画を練るというプロットは、クリント・イーストウッド主演の『アルカトラズからの脱出』とスティーヴン・セガール主演・制作の『沈黙の戦艦』から影響を受けている。
階級章
帝国軍の階級章では赤や青や黄の四角を並べて階級を一目見て分かるようにしている。例外はあるものの、基本的には四角の数が多いほど偉い。階級章に関する明確な設定が最初からあったわけではないため、『EP6/ジェダイの帰還』などでは大きな混乱も見られたが、『ローグ・ワン』では設定が整理された。
- 前回→第12話「ジャガーノート」
- 次回→第14話
- シーズン2総評:「普通ではない」元兵士が求める普通の生活
【『バッド・バッチ』シーズン3】