海外の反応
「オメガとクロスヘアはスペース・カリブで瞑想中、ハンターとレッカーはスペース・フロリダで命がけで戦う」
「<金がすべてじゃない><だから貧乏なのね>。フェネックはハンターを一瞬で切り捨てた(笑)」
「やはり、クロスヘアーとオメガのダイナミックな繋がりは、シーズン3で最高のパートであり続けている。あと、パブーも私が住みたい惑星であり続けている」
「パブーを見てると、この平和な島は長続きしないと確信する」
「クロスヘアーと彼の贖罪に焦点が当たるのが恐い。シーズン終了までに彼が死んだら本当にショックだ😢🥺」
「クロスヘアーが知らない人が何度も登場するのは、妙にユーモラスだ」
「最後のフェネックはヴェントレスに警告したんだと思う。シャンドがバッド・バッチを裏切ってるような演出だが、彼女はただ友達に警告してるだけじゃないか。バッド・バッチがヴェントレスへの懸賞金を狙っていると思ってね」
「時間を節約するためなんだろうけど、スター・ウォーズでは到着後すぐに船の扉が開くのは笑ってしまう。サイドブレーキもかけずに!」
あらすじ
バッド・バッチは、オメガが帝国に狙われる理由であるM値について探っていた。友人である女海賊のフィー・ジェノアは帝国がM値を持つ者に賞金を懸けているという情報をもたらす。ハンターは、手の震えが止まらないクロスヘアーとオメガを置いて、賞金稼ぎのフェネック・シャンドに接触することとした。出発の間際にハンターは、オメガにクロスヘアーを治療するように促す。
ハンターとレッカーは酒場でフェネックに接触し、M値を持つとある人物の情報と交換に、彼女の追っている賞金首サイラー・サリスの追跡を手伝うことになった。フェネックは二人が情報を必要としている弱みに付け入り、水に入っての機雷解除などの危険な仕事を彼らに押し付けた。だが、その過程で意外な事実も明らかになった。オメガに賞金をかけていた雇い主はオメガの安全を危惧していただけであり、バッド・バッチと共に行動していることに安心して賞金を取り下げていたのだ。
一方パブーではAZIがクロスヘアーを診療し、その心に原因があるという診断を下した。クロスヘアーはそのことを認めたがらないが、オメガは自分自身で治療すべきだと促す。そして、友人グンジーから習った瞑想を彼に伝授する。オメガの優しさに触れたクロスヘアーは大人しく一緒に瞑想を行う。
フェネック一行は賞金首サイラーの隠れ家に辿り着き、ハンターとレッカーが危険な役回りを再び押し付けられた。一行はサイラーの素早さに翻弄されるも、連係プレーで彼を捕らえる。レッカーは、旅の間二人を愚弄していたフェネックに対し「俺たちが居て良かっただろう?」と勝ち誇るが、フェネックは「私は常に正しい」という姿勢を崩さない。別れ際、フェネックはまだ情報を持っておらずこれから情報を入手するという事実が明らかになる。ハンターはどうすべきか逡巡するが、フェネックの言葉に揺さぶられ、彼女を信じることにした。そして、フェネックはクローン・トルーパーがM値について探っていたという情報をある人物へと告げる・・・
レビュー
フェネック・シャンドが再登場。だが、フェネックは信頼できないとほのめかすような演出が多かった。賞金首のサイラーを追って生きて帰った人は居ないと語っていたのに、既に一回フェネックは彼を追跡していた。船の相場も知らないのに、ピット・ドロイドが高値を吹っ掛けているとして値下げを迫ろうとしていた。そして、極めつけは情報を持っていないのに、情報を持っているフリをしていた。嘘をつきながらも自分が正しいと信じて疑わず、お金が大切と語る彼女は、素直に考えればバッド・バッチを裏切ってその情報を帝国に売ったと考えるべきだろう。
ただし、ドラマ『ボバ・フェット』で大名ボバに付き従っていたように、彼女は完全な悪人というわけではない。オメガを追っていたのも、オメガの安全を危惧した人物(ナラ・セ)からの依頼であり、どちらかといえば善の行動であった。今回の演出もミス・リードであり、友人のアサージ・ヴェントレスが「賞金稼ぎ」であるバッド・バッチに狙われていると考え、彼女を庇おうとしたという可能性もあるだろう。
また、ナラ・セがオメガを守ろうとしていたが、バッド・バッチと一緒にいれば安全だと信頼して、オメガへの賞金を取り下げたという設定は印象的なものであった。ナラ・セは、感情が読みにくいが心の底からオメガを心配し、そしてバッド・バッチを信頼していた。だが、バッド・バッチは一度オメガを失ってしまった。オメガが自力で脱出したからよかったものの、バッド・バッチの大人たちの責任は大きい。この事情を知ったハンターは、ますますオメガを守ろうとするだろう。
そして、クロスヘアーの手の震えは、やはり心的な要因によるものであった。彼には戦うことへの恐怖があるようだ。それは、戦っても自分の居場所を作れないことに対する恐怖ではないだろうか。クロスヘアーは自分の価値を証明するために、帝国の良き有能な兵士になろうとした。しかし、自分が使い捨てのコマであることを知り、心を折られてしまった。今度こそバッド・バッチで価値を証明したい願うが、その思いがプレッシャーに繋がり、失敗することへの恐怖を抱かせる。「これじゃ狙撃手ではない」と語るクロスヘアーは、未だに自分の価値が強さだと考えている。
そんな中で、今回クロスヘアーの知らない人々、フィー、フェネック、グンジーらが登場したことには、大きな意義を感じる。クロスヘアーと決別したバッド・バッチがこれらの人物と繋がっているのは、強さで価値を証明したからではない。正しい戦い方をしたからだ。こうやって、彼らは自分たちバッド・バッチの領域「バッド・テリトリー」を作ってきたのだ。クロスヘアーも、正しい方向に進めば自ずと居場所が出来ると知るべきだ。そうすれば、彼も再起できるであろう。
豆知識
オルド・エリスとハクシオン・ブルード
賞金首のサイラー・サリスは、オルド・エリスの殺し屋で、ハクシオン・ブルードと対立して追われているという設定であった。ハクシオン・ブルードは、ゲーム『ジェダイ:フォールン・オーダー』に初登場した犯罪シンジケートで、主にドロイドの密売を行っていた。オルド・エリスは、ハクシオン・ブルードが拠点にしていた小惑星を利用した宇宙ステーションの名前。
DUMシリーズ・ピット・ドロイド
フェネックとの取引を行っていたのは、DUMシリーズ・ピット・ドロイド。ポッドレースのピット・クルーとして有名なドロイドで、高い耐久性を持つ修理ドロイドだ。
ヤムリ
賞金首サイラー・サリスの種族はヤムリ(別名ハク)の亜種だ。ヤムリは、『EP4/新たなる希望』の酒場のシーンに少しだけ登場したカマキリ型のマイナーなエイリアン。グリーヴァス将軍の故郷の惑星を侵略した種族である。
- シーズン2総評:「普通ではない」元兵士が求める普通の生活
【『バッド・バッチ』シーズン3】