海外の反応
「今回もクロスヘアーが主役だ。シーズン3は今までのシーズンより遥かによくなっていて最高のSWアニメになっている。唯一の不満はクローン・コマンドーの描写だ」
「シャトルが墜落した後のオメガとクロスヘアーのやりとりがよかったね。<ハンターみたいに酷い心配性><いや、俺の方がもっと酷い>」
「ウォルフがクローン・トルーパーの死体に動揺しているのを見ると、まだ人間らしさが残っているのがわかる。コーディやハウザーでもわかっていたが、チップを取り除いていないクローンが感情を持っているとまた描いてくれてよかった」
「ウォルフとの睨み合いのシーンが一番好きだった」
「クロスヘアーと工作員のライバル関係は良いね。クロスヘアーは最近調子を落としていて、苦戦することが多くなっている。クローンが帝国によって淘汰されていく様を、新旧対決で見せてくれている」
「シーズン2で1話だけ登場したコーディの物語を完結させてほしいと思っていたが、工作員はコーディか?常にヘルメットを被っているし、声は加工されているし、時間が割かれているし怪しい」
「クローンの工作員はただのクローンではない。落下しても生き延びた。彼がテクである可能性はますます高まっていると思う」
「工作員はクロスヘアーだと思う。震える手のクロスヘアーは彼のクローンだろ!笑」
「台詞の中のキャラ描写は評価できるけど、1回の脱出シークエンスに2話も割く必要があったのか?また、クローンが混同されやすいことやマイナーなキャラであることを考えると、ウォルフの一瞬の登場で脚本家の意図通りにうまく行ったのかも疑問」
あらすじ
惑星テスにて。レックスが率いているクローン残党部隊の基地は、帝国の工作員クローンX2によって破壊され出口もふさがれた。オメガの身柄が狙われており、一行は別の出口からの脱出を試みる。
一方、彼らを追う立場である帝国軍の指揮官コマンダー・ウォルフは敵がクローン・トルーパーであることに戸惑いつつも、確実な任務遂行を目指す。だが、工作員はウォルフの命令に従わず独断専行で追跡を行う。その追跡を振り切るべくクロスヘアーは志願して殿を務め時間を稼いだ。そのおかげでレックス一行は無事に船を発信させるも、工作員の狙撃で墜落してしまった。
徒歩での移動を強いられた一行。クロスヘアーはオメガのことをハンターのように気遣う。その姿を見ていたハウザーは、クロスヘアーに変化を見出し、彼への態度を軟化させる。クロスヘアーは「帝国に忠誠を誓っていたが、使い捨てにすぎなかった」と後悔の言葉を口にし、ハウザーと心を通わせた。
帝国の部隊は着実にレックスたちを追い詰めるが、スモーク・グレネードを有効活用した戦略と単純な戦闘力に押されて捕らえられない。しかし、またもや独断専行した工作員が彼らを追い詰める。再び時間稼ぎを志願して工作員に立ち向かうクロスヘアー。二人はほぼ互角の戦いを見せるが、川に落ちたことで工作員が優勢になる。工作員は語る。「我々の一員になれたのに、味方を間違えたな」。クロスヘアーは意識を失いかけるが、新たに友になったハウザーが彼を助ける。
脱出地点に到着したレックスたち。だが、そこに現れたのは彼らを追う帝国軍だった。一行は武器を構え激しい戦闘を覚悟するが・・・レックスは指揮官が旧友のウォルフだと気づく。ウォルフも戦死したはずのレックスの生存に驚く。レックスは帝国が兄弟であるクローン・トルーパーを実験体にし死に追いやっていると告げ共に帝国と戦うように促すが、命令に従うのが良き兵士だと考えているウォルフは耳を貸そうとしない。だが、「お前は子どもを狩り立てるような人間ではない。兄弟として頼む。正しいことをしてくれ」とレックスが懇願するとその心は揺らいだ。そこにエコーとグレガーの乗る船が現れる。ウォルフはそのまま動かず、彼らを見逃した。そして、今回の戦いで敵対した兄弟たちの遺体を弔うよう命令する。
レックスはこの勝ち目のない戦いを続けるつもりだ。そして、ハンターらバッド・バッチもオメガが狙われている限り、この戦いに巻き込まれ続ける。レックスは、なぜオメガが計画に必要なのか探ってみるべきだと進言した。そして、滝へと落下したあの工作員も再び動き出す・・・
レビュー
話題になっているが、やはり帝国の工作員であるクローンX2の正体は気になるところだ。人間くさい描写が散りばめられていた点や最終的に生き残ったのにヘルメットを取らなかった点を考えると、彼は単なる悪役のクローン・トルーパーではなく観客を驚かせる正体を持つだろう。この工作員とバッド・バッチには明確な共通点があった。工作員は潜入、狙撃、機械の操作とバッド・バッチの各員が得意とする技術を使用していた(自力で石の下敷きから脱出していたので怪力要素もある・・・?)。そして、命令違反を繰り返す周りから浮いた存在でもあった。以上の点からもその中身は、バッド・バッチとゆかりのあるクローンだろう。
真っ先に思い浮かぶ中身の候補は、やはりテクだ。彼はシーズン2最終話で落下したが、今回この工作員は落下を生き延びており、テク復活への布石にも思える。洗脳プログラムがあることと工作員を「起動する」という言葉からして、捕らえられたテクは敵に改造され、従順な工作員になってしまったのかもしれない。または、バッド・バッチの能力をコピーした新たなクローンかもしれない。ヘムロック博士はクローン技術をさらに発展させ、フォース感応力を移植したクローンを作成しようとしており、その副産物としてバッド・バッチの能力や性格も移植できたのかもしれない。ジャンゴのコピーに過ぎなかったクローンたちは個性を獲得していったが、さらに自分たちのコピーが登場したときにどう反応するのだろうか。しかもそれは過去のクロスヘアーのように帝国に囚われたままの存在で・・・。こちらの設定でも面白い物語になりそうだ。いずれにせよ、ヘルメットを取った時、どのような顔が登場するのだろうか楽しみで仕方がない。
コマンダー・ウォルフの登場の仕方は意外であった。レックスは帝国内部の情報源の存在に言及しており、ウォルフがそれなのかと思っていたが。だが、これでようやく『反乱者たち』に登場したクローンたちが揃った。ハウザーやコーディでも示されてきたが、改めてチップに制御されたクローン・トルーパーにも良心があると示された。しつこいようにも思えるが、それだけ強調したい要素であり今後の物語にも関わってくるのだろう。いまだに帝国に従っているスコーチらクローン・コマンドーたちも救う余地があるということを示しているのだろうか。ウォルフの命令にヒロと呼ばれるクローン・コマンドーも従っていたことから、彼らにも良心はありそうだが・・・?
また、ウォルフの改心のきっかけが少女オメガであったことも強調しておくべきだろう。オメガは常に周りの人間を変化させる存在であった。オメガの存在により、クロスヘアーは今では「ハンターのような父親」になっている。それを見てハウザーも考えを改める。オメガは戦闘力こそ低いものの、その信念で状況を変化させられるキーパーソンだ。すべてのクローンを救うような状況を生み出すのはオメガなのかもしれない。
今回最も印象に残った台詞はレックスの「もう一つの道は必ずある(There's always another way.)」というものであった。クローン・トルーパーは居場所がなく、帝国の軍事力に追い込まれている。それでも絶望せずに進み続けるレックスらしい台詞だ。暗い時代を描いたこの物語も、我々が想定しえないような「もう一つの道」に進んでいくのかもしれない。
豆知識
ウィルヘルムの叫び
クリック
一行は森の中を「5クリック」歩くことになった。クリックは、キロメートルの言い換えである単位で、実際に日本語では「キロ」と訳出されていた。
レックスの戦死
ウォルフはレックスが戦死したと考えていたが、これは『クローン・ウォーズ』シーズン7最終話の出来事を受けての発言。レックスは確かに墜落した共和国の巡洋艦に乗っていたが、元ジェダイのアソーカ・タノと一緒に脱出していた。
「もっと酷い」
オメガが「ハンターと同じくらい酷い心配性」と語り、クロスヘアー「俺はもっと酷い」と返すシーンは、かなり後に追加されたシーン。クリエイティブ・チームのお気に入りのシーンであるそうだ。
- シーズン2総評:「普通ではない」元兵士が求める普通の生活
【『バッド・バッチ』シーズン3】