海外の反応
「そう、すべてはエグゼゴルにつながっているんだ。ヘムロックはネクロマンサー計画に取り組んでいる」
「ヘムロックがスノークに思えてきたんだけど」
「本やコミックに書かれていることだね。皇帝は最初からエグゼゴルでの寿命を延ばすためにクローン作りに取り組んでいたことを示す他の資料と一致している」
「実写よりもアニメが良いと気づいてしまった」
「皇帝がここに来る!?彼はその計画の進歩に最も満足しているようだ」
「パルパティーンの台詞はシェイクスピアのよう」
「まだ会って数十分だが、バッチャーに何かあったら、自暴自棄になって大暴れする」
「シスのルーン文字で埋め尽くされた部屋を見回すクローン・コマンドー・・・悪役なのか?」
「ヘムロック博士は大変なことになりそうだ(笑)パルパティーンにこの施設を秘密にしておくように言われてから2分後、オメガとクロスヘアは脱出した。昇進はできないだろう」
「シーズン2でグンジーはオメガに出来ない方法でで森と繋がれると指摘されていた。つまり、オメガにフォース感応力はないのでは?オメガの血やDNAには、彼女のクローン体がミディ=クロリアンを失わないという特性や遺伝子があるだけじゃないだろうか。その遺伝子をパルパティーンのクローンに入れれば、クローンはオリジナルと同じようにパワーアップするという感じで」
あらすじ
数か月以上も惑星ウェイランドのタンティス山に幽閉されているオメガとクロスヘアー。その基地に超VIPの客人が現れ、ロイス・ヘムロック博士とナラ・セは歓待に駆り出される。オメガの検体の処分が不可能だと判断したナラ・セはオメガに脱出するように告げる。博士の助手で姉妹のエメリー・カーの目を盗みつつ、オメガはナラ・セのパッドを使っての脱出を試みる。クロスヘアーのもとを訪れたオメガは見事な連携プレイで看守を倒し逃亡を開始した。しかし、客人の来訪でシャトルはすべて飛行禁止となっていた。
ロイヤルガードを引き連れて基地を訪れた客人は皇帝シーヴ・パルパティーンだった。パルパティーンは厳重に警備され、シスのルーンに囲まれた実験体を見てその成果に満足していた。このネクロマンサー計画は順調に進んでいる。そしてパルパティーン皇帝は、ヘムロック博士に研究を極秘に保つように告げ、彼に科学大臣の座も約束し、基地から飛び立った。
一方、オメガとクロスヘアーは猟犬の檻から基地の外への脱出を試みていた。しかし、逃亡に気付いたエメリー・カーが立ちふさがる。エメリーは今なら脱出をもみ消して守れると説得を試みるが、クロスヘアーは彼女を気絶させた。そして、間一髪のところで二人は外へと脱出する。
オメガたちは第一話で墜落したシャトルでバッド・バッチへと連絡を取ろうとしていた。しかし追っ手が迫り、シャトルも通信不能の状態だった。それでも二人は諦めず、「プラン72」を実行することにした。クロスヘアーの見事な陽動とオメガが逃がした猟犬バッチャーの不意の加勢により、オメガは帝国の兵員輸送船を奪い去る。ヘムロック博士はその撃墜を命じようとしたが、そこにエメリーが驚きの報告を持ってくる。オメガはネクロマンサー計画に適応した血液を持っていたのだ。ヘムロック博士は追撃を中止させ、彼らを逃がした。そして、計画成功のためにオメガを必ず生きて捕らえると誓う・・・
レビュー
タンティス山からの脱出が描かれた今回は、オメガの成長が際立つ回だった。今までは子供であるが故に兄弟たちに守られることも多かったオメガだが、いつまでも「囚われの姫」に甘んじず、自らパッドを駆使して「騎士(トルーパー)」の兄弟を助けに行く。『EP4/新たなる希望』から続く、スター・ウォーズお得意の「おとぎ話」の逆転だった。
クロスヘアーもオメガを信頼し始めたようで、看守から奪った銃を彼女に分け与え、二人居ないと実行できない「プラン72」の片棒をも任せる。銃社会アメリカが制作の本作では、子供のオメガが実銃を使う描写は自主規制されてきたはずだが、今回はそれが描かれた。オメガは、もはや子供ではない(一応今後もメインの武器は弓であるようだ)。
そして、パルパティーン皇帝が主導してネクロマンサー計画を進めていることが明らかになった。この単語は『マンダロリアン』シーズン3第7話で初登場したものであり、この『バッド・バッチ』から『マンダロリアン』、そしてシークエル三部作を繋ぐ重要な計画だ。今回の新情報も加味すると、ネクロマンサー計画はパルパティーン皇帝の精神を移植する器を用意する計画であろう。
以前の記事でも触れたが、本作のクローン技術はやがて『スカイウォーカーの夜明け』のパルパティーンのクローン体へと繋がっていく。そのために帝国はカミーノアンの技術を継承し、フォース感応力を持つクローンを作成しようとしている。現時点で、ヘムロック博士は「(精神の?M値の?)移植」に成功したがクローン化することで「M値(ミディ=クロリアン)」の減少を招いてしまった。そして、このM値の減少を抑える因子を持っているのがオメガだと今回明かされた。
今回の情報だけでは、オメガのM値が高い=フォース感応力があるようにも解釈することも出来るが、そうとも限らない。あくまでも「M値の移行において検体からの劣化がない」とされているだけで、「ジャンゴと同じM値である」や「別の遺伝子を混ぜてもM値の劣化が起こらない」というだけではないだろうか(実際に、クローンの血液検査では彼らの血液に別の血液を混ぜていたようだった)。それでも、この因子を解き明かせば、ネクロマンサー計画の最終目標である劣化の無いパルパティーン皇帝のクローンを完成させる第一歩になるわけで、ヘムロック博士には大きな意味を持つ。
だがご存知のように、このネクロマンサー計画は大部分で失敗した。パルパティーン皇帝のクローンは維持装置を繋いだ不完全な形でしか実現せず、唯一の成功例だったデイサン(レイの父)もフォース感応力を持っていなかった。個人的には、「フォース感応力はただM値(ミディ=クロリアン)が高いからといって発現するものではない」と判明してオメガが追われなくなる展開を予想している。我々は、ドラマ『アソーカ』のサビーヌで「才能がない人がフォース感応力を取得する」様を見たばかりで、その逆があっても受け入れられるだろう。ただのクローンではフォース感応力を持たせられないとわかって、複数の遺伝子を組み合わせるストランド=キャスト計画に移行したのでは?
さて、最後になるが、パルパティーン皇帝が覗いていた「実験体」が視聴者からは見えないという意味深なカメラワークが気になる。ただの「ジャンゴのクローン」であるならばそこまで凝った演出をする必要はないだろう。レジェンズではこのタンティス山で「ルークのクローン」が作られており、そのオマージュとして有名キャラのクローンが新たに登場するのではないだろうか。例えば、パルパティーンとか、アナキンとか・・・大本命はもちろん本作で蘇るアサージ・ヴェントレスのクローンだろう。パルパティーンもクローンで復活したわけだし、死から蘇る手段としてはクローン化が最も有力だろう。「移行に成功した」という台詞は、ヴェントレスの精神を埋め込んだという意味では・・・?
豆知識
ネクロマンサー計画
ヘムロック博士はネクロマンサー計画について語る。この計画は、『マンダロリアン』シーズン3第7話でキャプテン・ペレオン(パレオン)が初めて言及した帝国の科学プロジェクトである。
イアン・マクダーミド
今回パルパティーン皇帝の声優を務めたのは、『EP6/ジェダイの帰還』からパルパティーンを演じている、イアン・マクダーミド。
シスのルーン
ネクロマンサー計画の実験体が保管されている部屋の床には、シスの文字(ルーン)が刻まれている。この計画がクローン技術といった科学だけでなく、シス魔術も関わったものであることが暗示されている。
Vウィング
パルパティーンのシャトルの護衛やオメガたちの追撃に使われていた戦闘機は、Vウィングだ。この戦闘機は『EP3/シスの復讐』で初登場した機体で、TIEファイターに似たシルエットであることが特徴。
マウスドロイド
オメガと共にエレベーターに乗ろうしていたのは、マウス・ドロイドことMSE-6シリーズ修理ドロイド。『EP4/新たなる希望』の頃から面白おかしいシーンを担当するキュートな人気ドロイドだ。
- シーズン2総評:「普通ではない」元兵士が求める普通の生活
【『バッド・バッチ』シーズン3】