海外の反応
「アンジェリカ・ヒューストンがイザ・デュランドを演じる。大抜擢だね!彼女はもっと多くのエピソードに登場するよね?」
「ダニエル・ローガンがモックス役。いいね」
「テクについてほとんど触れられず、登場人物の誰からも後悔の言葉がなかったのは少し奇妙だが、それは後々出てくることかもしれない。レッカーの内面的な葛藤が必要だが、今のところ彼はいつも通りに見える」
「テクを失ってから、レッカーがより慎重になっているのが良い演出だった」
「ジョタスの話が出てきたね。あれは『フォールン・オーダー』でとても厄介だった」
「帝国はフォース感応生物の実験をしていて、その実験が失敗した結果、知性のありそうな肉食植物が栄華を極め、惑星全体を支配している・・・帝国のクソどもはハイ・リパブリックのドレンギア(Drengir)で実験していたんだろ?」
あらすじ
帝国に攫われたオメガを探すハンターとレッカーは、ローランド・デュランドの角を折った仇のパイクを差し出すことで、その母で犯罪王のイサ・デュランドから帝国の基地に関する情報を手に入れた。一刻も早くオメガを取り戻したいハンターは、援軍を待たずに惑星セトロンへと向かう。
しかし、基地は既に破壊・放棄され、その地には三人のクローン候補生の少年モックス、ディーク、スタックしかいなかった。ディークは基地の制御盤からオメガの居場所の手がかりが得られると提案したが、リーダー格のモックスとスタックは帝国の生物兵器の動くツタが跋扈する危険性を指摘し、協力を拒否した。仕方なくディークだけがハンターとレッカーに同行した。
レッカーがゴンク・ドロイドを担ぎ、三人は恐ろしいツタ型のクリーチャーの攻撃を潜り抜けて制御盤に到着する。一方、モックスとスタックは<マローダー>を盗み星から脱出しようとしていた。そして、制御盤で情報をコピーしていた三人はツタの親玉の襲撃を受ける。ディークは必死に二人の兄弟へ助けを求める。その声を聞いたモックスとスタックは改心し、彼らを助けるために基地へと向かい、多くの爆弾を口に投げ込むことでツタの親玉を倒すことに成功した。
モックスたちクローン候補生は行く当てのないまま銀河に放り出されようとしていた。だが、ある島を知るハンターはその地で「新たな道」を見つけるようにアドバイスをする・・・
レビュー
バッド・バッチが一般トルーパーの「レック」の候補生と交流した一話。仲間を見捨てないバッド・バッチの心意気に動かされ、候補生は善性を取り戻した。バッド・バッチの「異質さ」が他人を変えることが明示され、その異質さが今後一般トルーパーをも救うであろうことが示唆された。
今回主人公たちを阻む敵として登場したのは魅力的な生きたツタの化け物。彼らは凶暴だが、帝国の遺伝子改造で生み出された被害者でもある。そして、候補生たちが嫌っていた帝国に従うクローン・トルーパー(つまりはクローン・コマンドー)たちもバッド・バッチにとっては敵ではあるが、彼らも同様になんらかの特殊な改造を施された被害者であるはずだ。今回、バッド・バッチは被害者のツタを倒すことになったが、今後コマンドーたちにはどう対処するのだろうか。
また、帝国の残忍性も改めて強調されていた。帝国は用済みとみれば、あっさりとカミーノから攫ったクローンの子供たちを軌道爆撃で虐殺する。だが、同時にツタを放置したということは手に負えない存在は無視するという帝国の論理も垣間見える。本作の終わりに、クローン・トルーパーは自由を掴むことになるはずだが、彼らも同様に放置される存在になるのだろうか。
今回の終わりでは、ハンターが改めてパブーの島の存在に言及し、候補生にそこに向かい新たな道を見つけるように告げた。シーズン2最終話でもハンターは、オメガと共にパブーに住むことを提案しており、ハンターはこれが最良の選択肢だと考えているのだろう。このパブーはクローン・トルーパーにとって第二の故郷となるのだろうか。新たな道を進んでいたはずのハンターやレッカーは、オメガが攫われたことでいまだに傭兵稼業に縛り付けられており、いずれにせよオメガを救出しなくてはならないが。だが、それを意識しすぎるあまりハンターは明らかに冷静さを失っており、まだひと悶着ありそうだ。
今回のタイトルに「Path」が入っていたことから「隠された道」パスが登場するかと思ったが、実際には登場しなかった。だが、この物語の根本はパスの行動と同じだ。フォース感応者を逃がすことを目的とするパスは、今回のハンターと同じように帝国から命を狙われた人々に新たな人生の道を示そうとしているのだ。あえて「Path」という単語を使っていることからも、意識されているはずだ。予告されているヴェントレスの再登場にはやはりパスが絡むのではないだろうか。
豆知識
ローランド・デュランド親子
母の側近として登場したローランド・デュランドは、『バッド・バッチ』シーズン1でシドの店を乗っ取ろうとした憎めない小悪党。また、その母のイサは初登場だが、シーズン1で既に名前は登場していた。
パイク
ローランドの角を折った仇として登場するのは、パイク・シンジケートの一員。パイクは『クローン・ウォーズ』、『ハン・ソロ』、『ボバ・フェット』など近年のスター・ウォーズ作品に多く登場する種族だ。
軌道爆撃ベース・デルタ・ゼロ
ハンターたちが降り立った惑星セトロンは、帝国の「ベース・デルタ・ゼロ」によって破壊された。ベース・デルタ・ゼロとは軌道上からの爆撃で地表を完全に破壊する共和国宇宙軍およびその後継の帝国宇宙軍の戦略だ。レジェンズの用語だが、後に『反乱者たち』でも言及されていた。
ダニエル・ローガン
クローン士官候補生モックスの声を演じたのは、『EP2 クローンの攻撃』で若きボバ・フェットを演じたダニエル・ローガン。また、他の2人の士官候補生の声は、『デッドプール2』のラスティ役などで知られる、ニュージーランド人のジュリアン・デニソンが演じている。
DC-17
スタックは、<マローダー>でDC-17ブラスターを見つける。このブラスターは、クローン大戦中に主に上位のクローン・トルーパーが使っていたブラスターだ。
ジョタス
「腐ったジョタズの臭いがする」という台詞が登場。ジョタズとは、ゲーム『ジェダイ:フォールン・オーダー』の惑星ゼフォにて、プレイヤーが遭遇する猛獣だ。
パブー
クローン候補生の少年たちを降ろすと言っていた島は、文脈からしてパブーのことだ。シーズン2で登場した難民たちの第二の故郷であるこの島は、一時期バッド・バッチの本拠地にもなっていた。
- シーズン2総評:「普通ではない」元兵士が求める普通の生活
【『バッド・バッチ』シーズン3】