本来エピソード9を制作するはずだったコリン・トレヴォロウ監督とデレク・コノリーは、自分たちのエピソード9、『Duel of the Fates(運命の闘い)』の構想を温めていた。上層部の判断で二人は解雇されたが、後に脚本とコンセプトアートが流出し、正当なエピソード9『スカイウォーカーの夜明け』と大きく異なるその内容を多くのファンが称賛した。スター・ウォーズのファンであるワインガーナー氏は、内容を再構成することで、『Duel of the Fates』の素晴らしいファン・コミックを制作した。
本編
解説
フィンとローズはコルサントのジェダイ聖堂へと赴き、銀河中へメッセージを送る。レイアの言葉が人々を動かす。『スカイウォーカーの夜明け』では、エクセゴルに人民艦隊が集結したことがやや唐突に思えたが、本作は人々の蜂起が丁寧に描写されている。送信網がジェダイの遺物という設定もアツい。ジェダイは未だに人々の希望なのだ。この場面では、ジェダイ・オーダーの前身教団ベンドゥやお馴染みの惑星も登場し、今までの全作品の集大成であることを意識させる。
カイロ・レンは、ダース・ヴェイダーの幻影と対戦する。お気づきだと思うが、これは『EP5/帝国の逆襲』のオマージュだ。ルークは自分がヴェイダーになるのではないかと恐れた。カイロ・レンは、前回で決意したにも関わらず、自分がヴェイダーに敵わないのではないかと恐れている。ヴェイダーを強く意識するカイロ・レンは、本作のメインの軸になっている。
ちなみに、この時トーア・ヴァルムは「Vergence」が氷の洞窟にあると告げている。『EP1/ファントム・メナス』では、クワイ=ガンがアナキンの存在を「Vergence」だと語っていた。ヴェイダーが洞窟の中に居ることを暗示する台詞だ。今回は、映画での訳語に倣い「フォースの集中」と訳した。
レン騎士団の活躍があるのも嬉しい。『スカイウォーカーの夜明け』ではやられ役に過ぎなかったが、本作ではレイの仇敵であるどう猛なハンターとして描かれている。本作が実現すれば、初めてのダークセーバーの実写化となるはずだった。ライトセーバーとダークセーバーの戦いは、見てみたかった画の一つだ。
コンセプトアート
惑星コルサントのジェダイ聖堂での修理 |
生けるフォースを吸い取るカイロ・レン |
カイロ・レンvs.ダース・ヴェイダー |
惑星ボナダンのレーザー船 |
<ナイフ9>とレーザー船 |
レン騎士団と戦うチューバッカ |
対訳
オレンジ色の部分は、公式準拠の訳語。その他は、訳者による非公式の訳語。
- Gronk Boar:グロンク豚
- Vergence:(フォースの)集中
- the Living Force:生けるフォース
- Agora 6:アゴラ6
- Bendu:ベンドゥ
- Wavett:ワヴェット
- Mon Cala:モン・カラ
- Gria:グリア
- Bothawui:ボサウイ
- Trandosha:トランドーシャ
- Razorsail:レーザー船
- Hive Communication:ハイブ通信(ハイブ・マインドを活用した通信だと思われる)
クレジット
- Written by Colin Trevorrow and Derek Connolly
- Original characters created by George Lucas
- Artwork, Letters, Colors by Andrew Winegarner, Ph.D.
- Translation to Japanese by ジェイK
翻訳・再掲載を快く許可してくださった作者のワインガーナー氏に改めて感謝いたします。
免責事項:この作品はファンメイドであり、スター・ウォーズのクリエイターや著作権者の権利を侵害する意図はありません。スター・ウォーズや各キャラクターの権利は、正当な所有者にあります。作者および訳者は、無償のファン活動として、このウェブ・コミックを制作しています。