- 第二話「マンダロアの鉱山(The Mines of Mandalore)」
- 監督:レイチェル・モリソン
- 脚本:ジョン・ファヴロー
- 評価: ★8.6/10(IMDbユーザー評価)
あらすじ
罪を贖うために、マンダロアの鉱山を目指すディン・ジャリン。彼は、IG-11を仲間として連れて行くために、IGに必要な部品を探していた。惑星タトゥイーンへ向かい、昔なじみのペリ・モットーのもとを訪れる。しかし、IG-11の部品はなく、代わりにR5-D4を売りつけられるのだった。
ディン・ジャリン、グローグーそしてR5-D4は惑星マンダロアへと向かう。マンダロアは汚染されておらず、ボ=カターン・クライズの言葉通り呪われてはいなかった。途中R5-D4が現地のクリーチャーに襲われる事態もありつつも、ディンとグローグーは泉を目指し、降下していく。
しかし、ディンは謎のサイボーグに囚われてしまう。グローグーは、ボ=カターンの助けを求めるために、必死に洞窟を脱出。R5-D4と共に衛星カレヴァラのボ=カターンの城に向かう。
ディンとの決別を宣言したはずのボ=カターンだが、彼の窮地を察し、救援へと向かう。グローグーが勇気を振り絞って彼女の案内を担い、ボ=カターンはダークセーバーを見事に振るってサイボーグに勝利する。彼女は、ディンの手当ても行う。彼のことを同胞として見ている彼女は、なかなか優しい。
三人は、ディンが罪を贖えると信じている鉱山の泉へと向かう。ボ=カターンは、愚かなマンダロリアンの内戦の歴史を振り返る。そして、とうとう泉に到着。ディンは泉につかり、再びマンダロリアンとしての誓いを立てようとするが、足を滑らせて泉の奥底に落ちていく。ボ=カターンは、彼を助けるために飛び込むが、その時目にしたのは伝説の獣、ミソソーだった。
レビュー
第一話よりも格段に良くなっていた。シーズン3の行く末を示す回となったのではないだろうか。このシーズン3では、間違いなく伝説の獣ミソソー(ミソサウルス)が軸となる。今回、ミソソーはマンダロリアンの始祖マンダロア・ザ・グレートが手なずけた獣であることが明らかとなった。また、ドラマ『ボバ・フェット』では、「ミソソーがマンダロリアンの新時代を告げる」ことが、古代の歌にあると明かされた。
現在、マンダロリアンの指導者の象徴として、ダークセーバーが存在する。しかし、ダークセーバーは勝ち取らなくてはならないという教義がある。そのため、ダークセーバーを巡った争いがマンダロリアンの中で生じ、それがマンダロリアンの内戦の歴史へと繋がっている。故郷の惑星マンダロアも内戦で荒廃した。その状況を憂い、同胞を思うボ=カターンは、ダークセーバーをディン・ジャリンから奪うことは出来ない。
しかし、ミソソーを手なずけるとなると話はべつだ。今まで、マンダロリアンは内戦の歴史を歩んできた。しかし、ミソソーは新時代の統合の象徴となりうる。ミソソーの下で、銀河に散らばったマンダロリアンが集結するのではないか。マンダロリアンが再び団結することこそ、今回のシーズンの目的だろう。
また、ミソソー以外も、魅力的なシーンが多かった。廃墟のスケールの大きさはドラマとは思えなかった。グリーヴァスのようなサイボーグも、不気味で良い意味でスター・ウォーズらしくないデザインだった。そして、グローグーの成長が描かれたのも好ましい。ドラマ『ボバ・フェット』の必要性を疑問視する声もあるが、彼がジェダイの技を学んだことで、物語の幅が広がっている。加えて、彼は、ディンから言葉や旅の方法も学び、確実に成長している。それに伴い、ディンとグローグーの関係もこれから変わっていくだろう。
豆知識
ブーンタ・イヴ
惑星タトゥイーンは、ブーンタ・イヴと呼ばれる休日で、街はお祭り騒ぎとなっていた。『EP1/ファントム・メナス』でも、ブーンタ・イヴが描かれており、アナキンはこの日のレースで優勝を果たした。
R5-D4
ペリ・モットーは、ディン・ジャリンにアストロメク・ドロイドのR5-D4を売りつけた。R5は、『EP4/新たなる希望』に初登場したキャラ。ルークからは「赤い奴」と呼ばれ、R5が壊れたことでR2がルークの元へと渡った。スピンオフ小説では、彼は反乱軍に属していたことが明かされており、今回のペリの台詞でもそのことがほのめかされた。
ルアメン
ペリ・モットーは、グローグーがジャンプして飛びついてきた際に「ルアメンみたいに跳躍する方法を誰が教えたの?」と聞く。ルアメンは、『クローン・ウォーズ』シーズン1に初登場したキャラ。 第13話「ジェダイの遭難」と第14話「平和の守護者」で、アナキン、アソーカ、アイラ・セキュラと共闘し、村を守った。
荒れ果てたマンダロア
ディン・ジャリンは、グローグーに「かつてマンダロアは緑豊かで美しかった」と述べている。『反乱者たち』シーズン4第一話「マンダロアの英雄たち」で、サビーヌはエズラに同じようなことを言っている。この星は、内戦の末に荒れ果てて緑を失ってしまった。その後に、帝国に破壊された。
マンダロアの街並み
ディンとボ=カターン、グローグーは、廃墟となった惑星マンダロアを探索する。この街並みは、『クローン・ウォーズ』での描写を参考にしている。(画像引用元)
ボ=カターンとジェダイ
ボ=カターンはグローグーに「多くのジェダイを知っており、彼らと一緒に戦ったことがある」と語っている。『クローン・ウォーズ』と『反乱者たち』のアニメ作品で、ボ=カターンは、オビ=ワンやケイナン、エズラと共に戦う姿が描かれてきた。
ミソソー
今回その実体が登場したミソソーは、今までもその頭蓋骨を模した紋章が、マンダロリアンのシンボルとして度々登場してきた。ミソソーを手なずけたマンダロア・ザ・グレートは、「大昔に魔術師の一団、ジェダイと戦った」と『マンダロリアン』シーズン1で明らかにされている。加えて、「ミソソーがマンダロリアンの新時代を告げる」と、『ボバ・フェット』で述べられていた。ちなみに、ミソサウルスという訳語が使われていたこともある。