【海外の反応・レビュー・豆知識】『バッド・バッチ』シーズン2 第十三話「パブー」【ネタバレ】

2023/03/17

バッド・バッチ レビュー

t f B! P L

 

  • 第十二話「パブー(Pabu)」
  • 評価: ★6.7/10(IMDbユーザー評価)

海外の反応

「オメガの初めての酒場での喧嘩(笑) バッド・バッチはさぞかし誇らしいだろうな」

「テク:自分自身と対戦しているよ。その方が手ごたえはある」

「オメガがボートで誘拐されると思って手に汗を握っていた。次の3つのエピソードは、彼女を探して救出しようとするものかと」

「次回は、ある程度の時間が経過した後のスタートになりそうな気もする。でも、たぶんシドは脅迫を実行するんだろうなあ」

「ゴージャスな背景だ。しかし、シドがこの場所を見つけ、帝国に居場所を売り、パブーは破壊されるだろう。テクが、トランスポンダーの電源を切り忘れたりするんだろう」

「このエピソードでも、戦争から離れたクローンの生活はどんなものだろうという問いを続けているね」

「クロスヘアー:唯一の友人が凍死
 残りの隊員:地中海に定住することを思案中
 この番組の落差は激しすぎるぜwwww」

あらすじ


女海賊フィー・ジェノアの交渉に立ち会っていたバッド・バッチ一行。帰り際、フィーは、バッド・バッチがシドと仲違いをしたことを知り、彼らを「第二の故郷」へと招待する。その地の名は、パブー。戦中、戦後に居場所を失った難民たちが暮らす島だ。お宝探しに専念するフィーの本当の目的は、難民たちの文化の遺物を回収することだった。

この地で、オメガは同世代の少女のリアナ・ハザードと仲良くなり、満面の笑みを浮かべる。それを見ていたハンターに、フィーは移住を促す。「この地は、子育てをする父親にとって良い地よ」。オメガもリアナから似たようなことを持ち掛けられる。しかし、そんなことを考えたことのないハンターやオメガは、すぐには決断できない。

バカンスのような幸せな時を送っていた一行だが、パブーを地震と津波が襲う。バッド・バッチは住民を助けるために奔走した。その甲斐あって死者こそ出なかったものの、街は大きな被害を受ける。一行は、復興を手伝うためにパブーに留まることを決めた。

震災への思い


この回をレビューする上で、「震災」というテーマは避けては通れない。地震や津波の描写は、多くの災害を経験してきた日本人にとって、ある意味馴染み深いテーマだ。東日本大震災からちょうど12年が経過した直後の配信ということもあり、辛い記憶を思い出した人もいるかもしれない。

今回の描写は、震災に対する思い入れがあってこそのものだ。津波が来たら、高台に逃げなさい。弱者を見逃さず、助け合いなさい。手を取り合って、復興を目指しなさい。自然災害にも負けないパブーの人々の姿は、地震や津波にまだ慣れていない視聴者の子供たちにとって力強いメッセージとなることだろう。

人間同士の争いだけではなく、時には自然災害によって深刻な被害がもたらされることもある。だが、どんな時でも、冷静な対応と助け合う姿勢があれば、乗り越えられる。綺麗ごとかもしれないが、伝えなくてはならない大切な不変の真理だ。この回のモデルが日本であるとまでは断言しないが、日本をはじめとした現実の被災地をモデルにしているのは間違いない。そのうえで、スター・ウォーズで地震や津波を描いている。そこには、敬意や鎮魂の意味があるのだ。

新たな故郷


本作は、「故郷」を一つのテーマとしている。第六話では、グンジーの故郷への帰還が描かれ、第八話ではオメガの故郷カミーノへの思い入れが描かれた。第九話第十話ではオメガが<マローダー>を疑似的な故郷とみなしていること、ベンニが故郷から離れたくないという思いが描かれた。バッド・バッチ、特にオメガには、強い望郷の気持ちがある。しかし、彼らの生まれ故郷である惑星カミーノは、シーズン1のラストに帝国によって破壊されてしまった。もはや帰ることは出来ない。

そんな中で、居場所を失った難民にとっての「第二の故郷」パブーが描写された。そう、故郷を失った人々は、自分たちで新たな故郷を作ることが出来るのだ。兵士を辞めようとしているバッド・バッチは、自分たちの道を歩むために、新たな故郷を必要としている。それは、一般のクローン・トルーパーでも同じだ。前回第十二話で描写されたように、ストームトルーパーの新設で、クローン・トルーパーは居場所を失いつつある。戦うことしか知らない彼らには、現状で居場所がない。

本シーズンのテーマは「戦後のクローン・トルーパーは、どう生きるか」だ。そして、その答えは、「新たな故郷で自分たちの道を歩む」になるだろう。ライヨ・チューチー議員などの助力もあり、クローン・トルーパーは権利を獲得し、自分の人生を進めるようになるのではないか。そして、パブーは、その第一候補になる。

しかし、オメガが帝国に狙われていることを考えると、このパブーも安全ではない。新たな故郷で、新たな道を歩むために、バッド・バッチは帝国からつけ狙われる現状に立ち向かわなくてはならない・・・。

豆知識

ラオ・チェ

フィーがギャングと遺物の取引を行う場所は、「クラブ・ラオ・チェ」だと看板で説明されていた。ラオ・チェは、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』でインディと取引をした犯罪組織のボスの名前だ。取引相手が裏切って殺そうとして、乱戦に突入する過程がオマージュになっている。ちなみに、『インディ・ジョーンズ』で取引の場所となったのは「クラブ・オビ・ワン」だ。

カフーン


フィーの交渉相手が彼女を暗殺するために使おうとしてのは、インドウモド・カフーンと呼ばれる猛毒の節足動物。『EP2/クローンの攻撃』に初登場し、パドメの暗殺未遂事件でも使われた。

Brown eyes

フィーは、テクのことを「Brown eyes」と呼んでいる。字幕では「お茶目」になっており、なかなかうまい訳語だ。

スシ


パブーの食事として、寿司のようなものが出てくる。実は、スター・ウォーズ銀河には、スシと呼ばれる食べ物が既に存在している。アニメ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン2の第4話「元老院のスパイ」にて、アナキンとパドメは「スシ」と呼ばれるものを食べていた(実物は登場せず)。

Thank the Stars

町長はリアナとオメガの無事を知り、「星々のご加護だ(Thank the Stars)」と語っている。Thank the Starsは現実世界でも使われる用語だが、銀河を舞台にしたスター・ウォーズの相応しい慣用句だ。


筆者:ジェイK(@StarWarsRenmei

画像は、『バッド・バッチ』(2023年、ルーカスフィルム)より。ユーザー評価は、記事執筆時点。出典 出典

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