【海外の反応・レビュー・豆知識】『バッド・バッチ』シーズン2 第九話「分かれ道」【ネタバレ】

2023/02/16

バッド・バッチ レビュー

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  • 第九話「分かれ道(The Crossing)」
  • 評価: ★7.2/10(IMDbユーザー評価)

海外の反応

「オメガがエコーを恋しがっているシーンは、悲しい」

「エコーの喪失が、ゲームプランの変更に既に持ち込まれているのが良い」

「このエピソードで、ライオンキングを思い出したのは、俺だけじゃないはず」

「イプシウムを取り出すための道具がカッコよかった」

「このエピソードのサウンドトラックが大好き。あのギターの音色がたまらない。このまま何も解決せずに終わるとは思っていなかった。来週、マローダーが戻ってくる可能性はどれくらいだろう?」

「レッカーの水中での叫びは完璧だった(笑)」

「テクが発達障害として、ニューロダイバージェントを表しているのが良い」

「今シーズンは、テクが成長しているのが嬉しい。このエピソードでは、オメガの父親代わり、保護者、教師として素晴らしかった。オメガが落ちたとき、彼は何のためらいもなく追いかけた。エコーが居なくなったことについての二人の会話も良かった。人それぞれ物事の進め方が違うということを子供たちが理解するのに役立つだろう。
レッカーは、いつもの彼だった。彼は、テクが忙しいときに、コミカルな役割を担ってくれる。
そしてまた、今年はアニメーションが飛躍的に進歩したようだ。重要なキャラクターを扱った楽しいエピソード。オメガがチームの重要な一員になり続ける一方で、チームの力関係が変わった」

「最初はまたシドのミッションかと思ったが、すぐに印象が変わりました。演技、脚本、スコアが良い。シンプルなストーリーはほぼ完璧で、素晴らしいキャラクター展開だった。テクとオメガの対立、レッカーとテクの対立、テクの葛藤、そして全てをまとめようとするハンター。そして、ハンターがついにその能力を発揮したことは言うまでもない。このエピソードは、正直言って、私のお気に入りの一つだ。シンプルですが、とてもよくできている」

「シドについては、いいかげん我慢の限界になるんじゃないか?自分の依頼なのに助けに来ないし、今までしてもらったことを鑑みても来るのは数日後だし、物資が無いのに連絡を切る。何も変わらないとは思うけど、シドとの関係を再定義してほしい。
スペース・ガゼルはかっこよかったし、髪や水のアニメーションもよかった。砂嵐はライロスを思い起こさせた。
オメガとテクの会話も良かった。彼は、アスペルガーっぽいね」


あらすじ


シドの購入した鉱山からイプシウムを回収する任務に就いた、バッド・バッチ一行のハンターオメガテク、レッカー。前回の出来事でエコーが離脱したために、隊は人手不足に陥っている。オメガにイプシウムを回収させている間、見張りはレッカーひとりきりに。当然、隙が生まれ、船<マローダー>を盗まれてしまった。

仕方なく近くの宇宙港まで徒歩で移動することにする。しかし、移動中に嵐に巻き込まれ、イプシウムも爆発し、坑道に閉じ込められてしまう。船を盗まれたミスと、イプシウムを落としたミスを巡り、対立するレッカーとテク。また、エコーの離脱に続いて「我が家」である<マローダー>を失ったオメガのショックは大きい。だが、テクは船を「単なる移動手段」と捉えており、オメガの気持ちを汲み取れない。憤りを覚えたオメガは、三人から離れる。


坑道を進んでいくと、オメガは大量のイプシウムを発見した。その爆発で脱出しようと、採取を開始する。彼女を探してきたテクも、同様の方法を考えており、彼女を信頼し、採取を任せる。だが、オメガは足を滑らせ、クレバスに落ちてしっまった。テクもその後を追い、穴に飛び込む。

穴の下で水流に流され、二人は洞窟へとたどり着いた。どうやら壁の向こうは外で、爆発さえ起こせれば脱出できそうだ。テクは、残っていたハンターとレッカーにイプシウムを持ってくるように促す。そして、オメガとテクはゆっくりと言葉を交わす。テクは自分たちは「兵士」だから、どんな状況であれ自力で前に進むべきだと主張する。一方、オメガは、自分たちは「家族」だから、離れるべきではないと考えていた。それを聞いてテクも、自分にも寂しい感情があることを認めた。それでも、「エコーやクロスヘアーの選んだ道を尊重するべきだ」と彼女を諭す。相手の意見を知り、二人のわだかまりは解消したようだった。

一行は、イプシウムを爆発させて坑道から脱出し、宇宙港にたどり着いた。だが、そこは廃墟だった。長距離通信でシドに連絡を取るが、彼女が助けてくれるのも数日後。それでも、オメガは「自力で解決できる」と前向きだ。先ほどテクに教わった精神が受け継がれている。

レビュー


前回は銀河の歴史の大転換点を描いたが、今回はスケールの小さいチーム内の話。ただし、アニメーションや音楽は素晴らしい。スピンオフであることを考えると、このような歴史の裏側こそ本作のメインである。

エコーが離脱した結果、バッド・バッチにもたらされた不和が全編を通して描かれていた。レッカーとテクは責任を押し付け合って互いを非難する。オメガとテクは、分隊に対する考え方の違いで、相手を否定してしまう。リーダーであるハンターの苦労、地味でも大きかったエコーの存在がうかがえる。

特に、分隊に対する考え方の違いは、大きな対立に発展するところであった。オメガはバッド・バッチを「家族」、<マローダー>を「我が家」と捉え、エコーの離脱にショックを受けている。一方、テクはバッド・バッチを「兵士の分隊」、<マローダー>を「移動手段」と捉え、兵士として前に進もうとしている。

テクにはギフテッド、発達障害(アスペルガー)の気があり、オメガを不用意に傷つける言い方をしてしまう。だが、彼の言っていることももっともだ。バッド・バッチは元々「兵士の分隊」であったし、「家族」であったとしても、そのメンバーの選択は尊重すべきだ。オメガは彼が言葉下手であり、違う考え方を持っていることを理解し、テクの「自力でどうにか前に進んでいく」という考え方も受け入れた。子供向けの教育アニメとして、「自分と全く違う他人」を尊重する姿勢が描かれたことは、好ましい。

バッド・バッチを巡る状況も、そして内部の関係性も変わりつつある。どこへ向かっているのか分からないと評されることもある今作だが、今回も描かれた「変化に対応していく過程」が主題であるように感じる。兵士でなくなったバッド・バッチがどう変わっていくのかを楽しむ作品ではなかろうか。

豆知識

熱爆弾(サーマル・デトネーター)


イプシウムの性質を説明する際に、テクは「熱爆弾(サーマル・デトネーター)のように爆発する」と語っていた。熱爆弾は、もっとも有名かつ需要が高いグレネード弾。賞金稼ぎからストームトルーパーなど幅広い層が利用した。ブーシに扮したレイアが、ジャバを脅すときに使用したことでも有名。

クリック

テクは近くの宇宙港までの距離を「40クリック」だと説明していた。クリックは、キロメートルの言い換えである単位。スター・ウォーズ世界では、メートルの単位が日常的に使用されている。

<マローダー>


今回盗まれたバッド・バッチの船<マローダー>は、改造型オミクロン級アタック・シャトル。バッド・バッチの個人的な輸送船兼ガンシップであり、分隊は共和国時代から使用していた。テクは「移動手段に過ぎない」と語っていたが、他のメンバーが思い入れを持つのも当然である。



筆者:ジェイK(@StarWarsRenmei

画像は、『バッド・バッチ』(2023年、ルーカスフィルム)より。ユーザー評価は、記事執筆時点。出典 出典

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