- タイトル「禅 グローグーとマックロクロスケ(Zen: Grogu and Dust Bunnies)」
- 監督:近藤勝也
海外の反応
「可愛かったけど、<まあそういうのもあるよね>という感じだった」
「これがスタジオジブリとルーカスフィルムの最後のコラボにならないことを祈る。私は、この禅の短編シリーズが続くことを望んでいる」
「これはきっと、これから続く長い協力関係の予告編なんだろうな。両スタジオのキャラクターが登場する3分間のショートフィルムは、発表会のような感じを受ける」
「とてもかわいい作品だったが、実際の短編というよりは、アニメーションのテストのような印象を受けた」
「『かぐや姫』の名残がある手書きの重みのある線が気に入った。ジブリは、『ビジョンズ』S1での様々なスタジオとの話し合いの中で、この作品を提案したのかな?他の人も言っているように、これがジブリや他の日本のスタジオとの関係を探る作品になることを祈っている。いずれは、15分以上のものをお願いしたい(笑)」
「この作品を無意味だと言っている人たち、芸術には何が必要なんだい?」
「私は好きだ。美しいささやかなオマージュ。これ以上は期待してないよ」
「これは正史ですか?」
レビュー
ジブリとスター・ウォーズの待望のコラボ アニメ。公開二日前に突如として、ジブリの公式ツイッターが、ルーカスフィルムとのコラボを発表し、世界中が狂喜した。ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長と、デイヴ・フィローニ監督が来日していたこともあり、期待は最高潮に達した。だが、蓋を開けてみれば、わずか3分の短編作品。物足りなさを覚えた観客も少なくはない。
しかし、その出来栄えは目を見張るものがある。羊皮紙風の背景に、色もついていないグローグーがポツンと映し出されるだけだが、動きが生き生きとしている。さすが、ジブリが手掛けた作品だ。色の少なさによって、マックロクロスケが渡す花の鮮やかさが際立つ。『マンダロリアン』からアレンジされた音楽も、秀逸。観ているこちらも瞑想したかのような満足感を得られる。
EP4の頃から、フォースを「流れるもの」として扱ってきた文脈で、水の流れる川を登場させ、ジェダイがアニミズム的価値観を採用している文脈で、“付喪神”であるマックロクロスケを登場させたことからは、スター・ウォーズに対する深い造詣を見て取れる。グローグーのキャラクターも、『マンダロリアン』のような“悪意なき邪悪さ”が無い成長した姿で、観ていて新鮮だった。こういうスター・ウォーズも、アリだ。
もしも、ハードルが上がりきっていなければ、もっと高く評価されたことだろう。願わくは、このアニメが、ジブリとスター・ウォーズのコラボの歴史の序章になって欲しい。ジブリとスター・ウォーズは、相互に影響を与えてきた名ブランド同士であり、そのコラボは歴史に名を残すものとなり得る。
豆知識
制作の経緯
ジブリの宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーは、ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長と長年の親交があり、友情の証として今回のアニメ制作を快諾した。
ケネディ社長は、かつて北米でのジブリ映画の配給に携わっていた。
楽曲
今回BGMとして使われた楽曲は、『マンダロリアン』の「Open the Door」の一部。
ファンおなじみのルドウィグ・ゴランソンの作曲だ。
お花
マックロクロスケが、グローグーに渡したお花は、副音声によると、ヒナギク。
その花言葉は、「平和」と「希望」で、スター・ウォーズに相応しい花だ。
円相
最後に登場する円相は、禅における書画のひとつで、図形の丸を一筆で書いたもの。
悟りや真理、仏性、宇宙全体などを円形で象徴的に表現したものとされる。
描いたのは、ジブリの鈴木敏夫プロデューサーだ。