スター・ウォーズ ビジョンズ 村の花嫁
- 英題: Star Wars: Visions The Village Bride
- 時間:18分
- 監督:垪和等
- 制作:キネマシトラス
- ユーザー評価:★7.5/10(IMDb)
公式のあらすじ
オーダー66後、帝国の支配はまだアウターリムの惑星キーリアへは届いていなかった。懐かしい人物(ヴァン)からメッセージを受け取りこの星を訪れた逃亡者エフは、そこで奇妙な結婚式に出くわす。戦争の呪縛から逃れられない村人たちと抗おうとする若者たち。花嫁ハルに自らの境遇を重ねるエフがとった行動とは。そして恋人たちの運命は…
海外の反応
彼女が“黄色のダークセーバー”を持っているのが好きだった。
もっと黄色いライトセーバーが見たい!もっと黄色いライトセーバーを見せてくれ。
とても良いエピソードだ。
私が見たライトセーバーのデザインの中で最もクールなものの一つだ。平べったい刃、黄色い色、そしてユニークな点火方法が好き。とてもかっこいい!
この作品も大好きです。彼女のマスクがサイコーだと思う人は他にもいるでしょう?
素晴らしいエピソードだ。『ビジョンズ』で一番好き。心に残る会話、本当に良い音楽、ゆっくりとしたペース、そして、キャラクターと世界への深堀りが大好き。
このエピソードをとても気に入っている。キャラクター、音楽、悪役・・・そして、盗賊が暴力を振りかざしたときに最後の手段として、ジェダイが武器を使うという哲学も大好きだ。素晴らしい出来栄え。
このエピソードは、「侍が勇敢な村人を盗賊の襲撃から守る」という図式が、『The Duel』よりもよくできている。
また、短い上映時間にもかかわらず、きちんと設定された興味深いキャラクターでいっぱいだった。フォースの背後にある哲学と実にうまく合致している、スター・ウォーズでは十分に深く描かれていない自然環境との調和は、本当に楽しめた。また、アニメーションも美しく、美的感覚に優れている。
さらに、黄色のライトセーバーはサイコーだ。
『ビジョンズ』全作品の中で一番好きだ。宮崎駿の映画を見ているような、でも確かにスター・ウォーズを見ているような気分だった。世界観、村、アートスタイル、音楽が好き。特にジェダイの少女が盗賊の頭領をやっつけるところがカッコよかった。彼女のライトセーバーは最高です。是非とも続きが見たい。
また、B-1バトルドロイドを再び見ることができたのも本当に嬉しかった。
この作品の音楽は心に響くものがあり、見てからというもの、ずっと頭の中に残っている。
「私はジェダイ」。
この台詞を忘れることはけっしてないだろう。
↳同意見だ。少し考えすぎかもしれないが オーダー66のトラウマの後、銀河のかなりの部分がジェダイの消滅を望んでいることを知りながら、「私はジェダイ」と宣言する流れは、私の中で台詞により重みを与えている。
豆知識
『村の花嫁』ポスター |
- 垪和等監督は、スター・ウォーズのオタク。アニメの『反乱者たち』も網羅している。
- 「地の利」や「イヤな予感がする」等のおなじみの台詞も登場。
- 他にもGNK power droidやXS stock light freighter、Clone Z-95 Headhunter等のおなじみのドロイド、船も。
- 黄色いライトセーバーは、主人公エフが、テンプル・ガードや出家した尼のような状態であることを表す演出。
- 主人公エフが怪我をしたのは、『EP2/クローンの攻撃』のジオノーシスの戦いという設定。第一次ジオノーシスの戦いの傷を癒やすために療養していたら、ジェダイが滅ぼされ、どこに行ったら良いか分からなくなった。
総評
音楽、作画、物語……どれをとっても一流で、『ビジョンズ』を代表する作品。実際に、この一作が、アカデミー短編アニメ賞に提出されている。ジェダイについて描いた物語として、オタクからの評価も高い。
紀行モノを作りたかったという監督の言葉通り、舞台となる惑星キーリアは、自然の美しさを体現している。山岳信仰をフォースと結びつける描き方には、フォースに哲学や宗教を見出すマニアたちも感心していた。アニミズムから影響を受けたフォースという概念を、“マギナ”として見事に原点回帰・再構築している。
停滞していた主人公エフは、マギナについて学び、前へと進む。戦争に突き進んだジェダイ・オーダーに失望し、進むべき道を失っていた彼女は、戦いを諦めないマギナの信奉者の花嫁ハルを見て、再び戦う意味を見出した。「川に石を投げても、流れは変えられない。でも、自然と調和し、一緒に変わっていく」。エフがマギナから学んだ考え方は、この言葉に集約されている。小さなことに思えても、今の戦いは未来に繋がり、やがて大きな意味を持つのだ。
EP1〜EP3のヨーダは、未来、つまりは大きな流れを変えようとする考えに囚われ、今を疎かにしていた。しかし、大きな流れを変えるために、本当に必要なのは、クワイ=ガンが語っていたように今に注力することなのだ。失敗を経たEP5時点のヨーダと同様に、エフはその事実に気づいた。そして、ルークと同じようにジェダイとしての行動に移している。
舞台となる惑星キーリアは、分離主義者によって破壊され、分離主義者の遺産によって今なお苦しめられている地だ。エフは、戦争の爪痕をまざまざと見せつけられる。暗い過去を思い出す彼女。だが、最後には、顔を覆っていたマスクを外し、戦争で受けたキズを受け入れる。これは、古い考えに囚われたジェダイ・パダワンの終わりの物語で、真の“ジェダイ・ナイト”の始まりの物語だ。
最後に、垪和等監督の言葉を紹介しよう。「ジェダイは正義を守って戦うものだ、という話ではない。本来は、自然を愛し、人を愛する心のサポートで、ライトセーバーがあるだけ、という“心”の話にしたかった」。“正義の騎士”であるジェダイについての鋭い言葉だ。スピンオフを追い続け、ジェダイについて考え続けてきた私が、断言する。『村の花嫁』は、ジェダイの本質を捉えた名作だ。
そのほか『ビジョンズ』作品のレビュー
1、The Duel
2、タトゥイーン・ラプソディ
3、The Twins
4、村の花嫁(この記事)
5、九人目のジェダイ
6、T0-B1
7、The Elder
8、のらうさロップと緋桜お蝶
9、赤霧
出典